2011年8月21日日曜日

緑を破壊する(株)○○緑化

 ぶらぶら猫らの宮古移住に時を合わせたわけではないだろうが、千葉県船橋市にある自宅の環境が大きく変わってしまった。築年数20年以上の戸建て住宅が立ち並ぶ、落ち着いた住宅地にある自宅のお気に入りの1つは、家の北側が森に接し、食堂の窓外の景色が、まるで森の中の別荘地にいるようだったことだ。この森は船橋市の公園緑化のための実験農場で、宅地造成などで失われることはないだろうと安心していた。しかし、近所の保育園の立て替えにともない、立て替え工事中の仮園舎の建設地となってしまい、森の木々が切り払われてしまったのだ。それも、樹齢かなりになりそうな桜の大木をはじめ、1本残らず切り払われてしまった。仮園舎建設工事のために木々を切るとの通告は受けていたが、まさか、ここまで徹底的に更地にしてしまうとは思わなかった。せっかく育った木々を、もう少し残すことはできなかったのだろうか? その方が、自然に囲まれた、子どもたちにも優しい園舎となったであろう。
 CO2や熱中症が問題となっている昨今である。街の緑を増やせば、原発などに頼るより、CO2削減にも、気温を下げるのにも有効なはずである。その意味でも、もっと街の緑を残すやり方は取ってほしかった。 
 自宅近辺の風景は、ここに越してきてからの5年間に大きく変わってしまっている。畑が次々と宅地化され、アスファルトで固められてしまった。少子化、人口減の時代なのに、新築住宅が次々と建てられていく。その一方で、築20年を超えたような住宅地は空き家が増えて行く。日本の現代住宅は今や、親が子育てを行い、老人施設に入るまでの、わずか30〜40年間だけ使用されるためにあるようだ。住宅建設の土建屋さんから見れば、新築需要が無くなってしまえば死活問題だろう。しかし、人口がどんどん増えていった高度成長期はとうに過ぎ去った。この時代に新築住宅を建て続けることが、国土の利用方法として懸命なのかどうか、財界も政界も考えてほしい。
 ところで、自宅裏の森の伐採をおこなったのは、「(株)○○緑化」という会社だった。「緑」を徹底的に排除し、破壊しつくす会社が「緑化」とはブラック・ジョークもいいところだ。それとも、この会社は今度は、保育園仮園舎周囲の植栽事業も請け負っているのだろうか? 年月を経た立派な緑を破壊し、その跡に、どこかで育てられた貧弱な新しい緑を植える。「引っこ抜いて」「植え直せ」ば、仕事は倍になるだろうけれども。


伐採が始まったばかりの頃


伐採が進んだ後(このあと画面右にある、残る桜の木も切り倒されてしまう)

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