2012年1月3日火曜日

風評被害〜節電〜絆


昨年の3.11以来、NHKをはじめとするマスコミでさんざん叫ばれ、それに影響された多くの日本人が事あるごとに口にする言葉となった「風評被害」「節電」「絆」の3語。しかし、これら3語に対しては、マスコミの宣伝通りに素直に受け取る人と、受け取れない人に、日本は分断されてしまった。
3.11に関して、地震や大津波が自然災害であることに異議はないが、福島第一の原発震災に関しては、これは絶対に人災である。悪人探しや、罪を糾弾することばかりに目が向くのはよいこととは言えないが、少なくとも、最低限の責任と原因の追及はあってしかるべきである。ぶらぶら猫が3.11以後に驚き、絶望したのは、きちんとした責任と原因追及もなしに、「(たとえ毒物であっても)生産者や地域経済のために食べろ[風評被害]」「(電気は足りているのに)原発がないと大変だから節電に励め[節電]」そして「国の一大事なのだから、とにかく一致団結して忍耐強く前へ進め[絆]」という空気が支配してしまったことである。
この国は、先の大戦後も冷戦のどさくさに紛れて、きちんとした責任処理を怠り、あいまいなまま戦後史を歩んできた。今また、あいまいなままに、漠然とした「絆」スローガンとともに、おかしな道を歩もうとしている。数年後、この道が間違いだと気づいた時、大戦後に「軍部にだまされた」と言うのと同じように、人々は「だまされた」と言うのだろうか?

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