2012年1月20日金曜日

沖縄の香りのする?ワイン

香川県の酒屋さんに18日に注文したワインが、早くも19日夕に届いたので、さっそく味わってみた。


注文したワインは「Sauvageonne Savoureuse(ソヴァジョーヌ サヴルーズ)」。香川大学農学部の望岡亮介教授が研究開発した「香大農R-1」というブドウからつくられたワインで、「さぬきワイナリー」で醸造されたものだ。


沖縄ブドウの遺伝子を受け継ぐブドウから造られた
Sauvageonne Savoureuse(ソヴァジョーヌ サヴルーズ)」
名前の意味は「芳しき野生の乙女」
ほんとに芳しかった!!




ぶらぶら猫が、なぜこのワインを飲みたいと思ったかというと、このワインには「沖縄のDNA」が入っているのからだ。「香大農R-1」は、沖縄に自生するヤマブドウ「リュウキュウガネブ」に「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を交配させてつくられたブドウ品種で、いわば、半分は琉球の血が流れているのだ。


ブドウ&ワイン造りには、乾燥と、ある程度の冷涼な気候が求められるため、沖縄では無理だと思われているが、この「リュウキュウガネブ」という沖縄生まれのブドウをうまく使えば、沖縄でのワイン生産も夢ではないかもしれない。実際、昨年12月に訪問した恩納村のレストラン「オーベルジュ・ボヌシェール ラウー」の中田浩司オーナーシェフが、「リュウキュウガネブ」を栽培してワイン造りに成功している。ぶらぶら猫も、来週、中田氏のワイン「涙(ルイ)」を試飲しに沖縄に行く予定だ。


さて、「Sauvageonne Savoureuse」。日本の野生ブドウの色素の濃さ、とくに「リュウキュウガネブ」の濃さは噂には聞いていたが、マスカットとかけ合わせた「香大農R-1」からつくられたこのワインも、しっかりとした濃紅色。その色素は、ワインの脚とともにグラスにしっかりと付いて残るほど。このグラスに残った色は、濃紅色というよりは、きれいなピンクに近い色。


濃厚な色素からも分かるように
ポリフェノールやアントシアニンなどの
機能性成分の含有量がずば抜けて高い




香りはなかなか良く、良質のワインを期待させる(すいません、ぶらぶら猫はワイン好きだが、「ベリーのような香り」とかなんとか形容するのは苦手)。


味は、濃厚な色とは違って、きわめて軽やかで、飲みやすい。やや酸味が強いか? ただ、中田氏の「涙」の場合、1年以上寝かせると味が格段によくなったというから、熟成させた方が酸味がとれてまろやかになるのかもしれない。


お気に入りの1本にするには、まだちょっと足りない面もあるが、沖縄ワインの可能性を感じさせるワインだ。


「リュウキュウガネブ」は、その色の濃さからも分かるように、ポリフェノールやアントシアニンなどの機能性成分の含有量が、ふつうのブドウと比較して、ずば抜けて多く、ワイン以外にも、さまざまな食品に利用できそうだ。

2 件のコメント:

  1. ワインお試しいただき、ありがとうございました。ブドウの品種名は「香大農R-1」で、「大」の字が付きます。農水省に種苗登録申請したとき、1番初めは「香農ブドウR-1号」にしたら、植物を表す「ブドウ」という文字を品種名に付けてはいけないと修正を求められ、次に「香農R-1」にしたら、漢字は違うが読みが同じ「佳能」という既存品種があるので変更するように求められ、ようやく「香大農R-1」でパスした次第です。もともとはリュウキュウガネブの形質を生食用ブドウに導入することを目指していたので、片親にマスカット・オブ・アレキサンドリアを使ったのですが、出て来たものの果粒が1g程度と小さかったため、醸造用ブドウとして利用しています。いろいろと私自身もこのブドウに物足りなさを感じているので、決して完成形とは思っておりません。そのうち、より良い品種を世に出そうといそしんでいます。

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  2. 望岡亮介先生。拙ブログを見ていただきありがとうございました。品種名のご指摘の件、失礼いたしました。きちんと確認も取らず、恥ずかしい限りです。「香農R-1」→「香大農R-1」と訂正させていただきました。より良い品種ができるのが楽しみです。

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