2012年1月16日月曜日

電動バスに乗った!!

慶應義塾大学が、神奈川県や神奈川県バス協会、メーカーと共同で開発した電動フルフラットバス「SAKURA」に試乗してきた。JR蒲田駅〜羽田空港国際線ターミナル間の往復試乗会に参加してきたのである。

テレビなどでも紹介された電動スーパースポーツカー「ELiica(エリーカ)」をつくった研究室が中心となって、神奈川県などとともに進めているプロジェクトで、8つのタイヤにインホイールモーターを組み込み、バッテリーやインバーターなどの機器類をすべてシャシーフレーム内に納めた、シンプルな構造が特徴である。タイヤが小さく、エンジンがないために、床がフラットで乗り降りしやすく、エンジン音やギア変速による振動もなく、当然、排ガスを出さないため環境にもやさしいと、いいことずくめのバスなのである。

ぶらぶら猫は、前からこのプロジェクトに注目していた。電気自動車については、ここ数年の「エコカー」ブームで、いくつかのモデルが登場しているが、慶應義塾大学電気自動車研究室のELiicaやSAKURAが、一番、先端的で、将来性のある試みに思えるのだ。あのポルシェを圧倒するパフォーマンスをもつEliicaの技術を使ったバスを、ぜいひとも宮古島で走らせてみたい。宮古島の隅々に環境にやさしい電動バスを走らせたいというのが、ぶらぶら猫の夢だ。

宮古島は電気自動車にちょうど良い島である。島を1周しても100km足らず。高速道路もないこの島では時速100kmも出れば十分過ぎるだろう。幸い、宮古島市も「エコアイランド宣言」をして、環境重視の島を売り込もうとしているし、そのシンボル的存在として、風力発電機やメガソーラー発電所の実験施設もある。宮古島の自動車をすべて電気自動車にし、太陽と風だけをエネルギー源とする自立した島を目指してほしいと思っている。そして、自家用車だけではなく、島のどこへ行くにも便利な公共交通機関があったらいいなといつも思っている。子どもの多い宮古島でも高齢化が進んでいる。車の運転できない者も1人で自由に動き回れる島にしたい。また、それは、車を運転するぶらぶら猫にとっても、気軽に街まで飲みに行けるというメリットを与えてくれる。

さて、今日試乗したSAKURAである。まず、内外装のデザインがすばらしい。常々、日本の公共交通機関のデザインはひどいものが多いと思っている、ぶらぶら猫にとって、SAKURAは期待通りの出来に仕上がっている。聞くと、いすゞ自動車のデザイン室の手によるものというから驚きだ。やればできるじゃないか、なぜ、現行のバスはひどいものばかりなのだろうか?
スマートで格好いい車体。見た目は意外にコンパクト
産官学共同プロジェクト

非常口は後面にある




電動「フルフラット」バスをうたうだけあって、前から後ろまでフラットな床が広がっており、乗降もしやすそうだ。シートや内装デザインも、従来の路線バスのものとは雲泥の差がある。




フラットな床と明るい室内

コックピットのインパネも近未来的!?

しかし、ここでどうしても比較してしまうのが、パリのRATP(パリ交通公団)のバスなのだ。RATPのバスは、ルノー社製の内燃機関のバスだったが、床がフラットで広々しており、内外装のデザインもすばらしかった。SAKURAは、使い勝手、デザインセンスとも、日本の従来のバスからは大前進だが、パリのバスと比較すると、それほど進んでいるとは思えない。広さという点では、むしろ、まだ劣っているともいえるレベルだったのが残念だ。


乗り心地については従来のバスとは比較にならないくらい、静かで滑らかだ。ただ、どうしてもロードノイズはあるし、サスペンションも意外にゴツゴツと硬く感じられた。この辺り、もう少し、改善点もありそうだが、何はともあれ、排ガスを出さない電気自動車であるというだけでも、夢のような、いや、夢では終わらせたくない乗り物だ。


研究室のページを見ると、もっと小型のモデルの可能性にも言及しているから、きっと、宮古島にぴったりな、クリーンで、格好いいバスも作ることができるだろう。




RATP(パリ交通公団)の主役、RENAULT AGORA(ルノー・アゴラ)
ぶらぶら猫のパリ滞在時は最新モデルだったが、
2005年で生産終了したとのこと。




RENAULT AGORA(ルノー・アゴラ)は1995〜2005年のモデルだが、
床はフラットで広々、窓も大きくて明るい


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